03/10の日記
19:10
パロ
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セフィロス+ティナ
午後の授業に入る前のことだった。
兄弟たちもその異変に気付いていたのだが、あえて声をかけない者もいれば、心配して付きまとう者もいた。
そうティナの様子がおかしいのだ。
朝は普段通りに家を出て登校。午前の授業も変わりなく過ごした。
明確な反応があったのは、昼食を終えてからのこと…
「ティナ〜大丈夫っすか?」
「無理すんなよ?」
ティーダとバッツがティナの顔を覗き込み声をかける。
ティナは二人に心配させまいと精一杯の笑顔でこたえた。
その笑顔がまた痛いと感じる兄弟達。
「大丈夫だよ。ありがとう…」
「次の授業はゴルベーザ先生だから…移動っす」
「本っっっ当に無理しちゃダメだからな!?」
「うん。ありがとうジタン」
ティナは三人組に笑顔を向ける。その斜め後ろで複雑な表情をしている兄弟たちにも振り向き、うっすら微笑む。
「皆、先に行っていて?」
「え?待ってるぜ?」
「そうっすよ!!今のティナ、なんか心配っす!!」
「…うん。その…」
ティナは苦笑しながら、何か言いた気に視線を泳がせている。
それに助け舟とでもいうように、長兄ライトが割ってはいった。
「…何か用事があるのだろう。我々は先に行くぞ」
ライトの出現に三人組は押し黙る。
それをフォローすように次男セシルが微笑みながら近寄る。
「今のティナを見てると心配なんだよね三人とも…」
「そうっす!心配なんすよ!!」
「どっかで倒れたりしたら大変だろ?」
「うんうん。でも、ティナの意見を尊重してあげよう?ね」
次男セシルの微笑みはどこか有無を言わさない威圧感があり、ティーダとバッツは口を尖らせるしかなかった。
そんなやり取りにティナは小さく噴出すように笑う。
その笑顔にどれだけ安堵したかは計り知れない。
それほど、心配しているということだ。
「皆、ありがとう。」
「ああ、気にすることないさ」
「フリオニールの言うとおりだ。あんたはあんたの用事をさっさと済ませるといい」
「(何だその物言いは…)先に行っている」
「何かあったら俺の携帯に連絡っすよ!」
「なーんでティーダなんだよ!俺な?」
「バッツなのも謎だから!!」
「はいはい。もう、皆行くよ?」
セシルがまとめあげ教室を出るように指示する。
ティナと最後に残ったライトが優しくティナの頬を撫でた。
「…本当に大丈夫か?」
「うん」
「そうか…。先に行っている」
「うん。ありがとうライト兄さん」
ティナと兄弟たちは廊下で分かれた。
兄弟たちを見送り、ティナは早々にトイレへ駆け込んだ。
幸い、例の物は常に常備していたので惨事に見舞われなかったが、どうも今回は重いらしい。
普段、薬の服用はいらずに過ごせるものだから薬まで用意はしていなかった。
下腹部に走る電流のような痛みは次第に大きくなっていく。
まるで他人事のようにチャイムが鳴るのを聞き、ティナは腹を押さえながらトイレを出た。
すでにチャイムが鳴っていたので、廊下には誰も居ず静かだ。
ティナは保健室で、薬だけでもと階段を下りる。
ティナたちの教室は二階にあり、保健室は一階だ。
普段、何気なく上がり下がりしている階段が長く感じてしまう。丁度、コーナーに差し掛かったとき、一番大きな痛みで足が竦み踏み外してしまった。
「…っ!」
危機感と痛みとが連動して、ティナは目を強くつむる。
だが、気付けば温かいぬくもりに包まれていた。
重い瞼を持ち上げれば、輝く銀髪をたなびかせた端整な顔立ちが目の前にあった。
「……セフィロスせん、せい…」
「…危ないぞ。ティナ・ブランフォード」
「……すみません…っ!」
「…顔色が悪いな。…捕まっていろ」
「え?…きゃっ」
セフィロスは瞬時にティナの情態を察知する。
ティナの返答など聞かずに軽々とその華奢な体を持ち上げ、すたすたと歩いて行く。
ティナは少々うろたえるものの、その身をセフィロスに委ねた。
戸が開く音、カーテンを引く音を耳にしたところで、体が浮遊し人肌でない毛布に包まれていると感じる。
セフィロスは羽毛布団をかけてやるとカーテンを閉めて、その場からいなくなった。
ティナは一瞬、孤独感を覚え引きとめようと体を起こそうとしたが、下腹部の痛みで出来なかった。
聞き耳をたてると棚を探る音がする。
そして、こちらに向ってくる足音、再びカーテンを開く音
「……何故、泣いている」
「…ぁ、いえ…」
「心配するな。休講の連絡なら後で…」
セフィロスの言葉にティナはゆっくり力なく首を横に振る。
ティナの反応にセフィロスはもう一度、その場から離れた。
離れた場所からセフィロスが誰かと話をする声が聞こえる。先程言った休講の連絡を子機でしているのだろう。
セフィロスのことだ、ティナの心を察した上で用事をすませておこうとしている。
残念ながらティナにはわからないのだが…
セフィロスが戻ってきて、薬を飲むように体を起こしてもらう。
薬と水が入ったコップを手渡された。
それをコクリと飲み干し、ティナは小さくお礼を言う。
セフィロスは「気にするな」と一言いい。ティナを横たえさせた。
「先生…ごめんなさい」
「…お前のそれは何に対してだ?」
「え…?ぇっと…」
「まぁいい。ゆっくり休むといい」
「…はい。」
「私は行くぞ」
「……」
「……今のところで引き止めなくてどうする」
「…っ、だって…」
「側に居る。…今は寝ろ」
「…はい」
セフィロスは座りなおし、ティナの髪を掬い上げる。
その優しい手つきにティナは気持ちよさそうに目を細めた。
目に溜まっていた最後の雫が頬を通過する。
それを親指で掬い取り、大きな手のひらで頬を包み込む。
セフィロスから感じるぬくもりに、ティナは小さな寝息をたてていた。
あまりに無防備なティナの姿にセフィロスは何を思ったのか、上体を屈めて額に触れるだけの口付けを一つした。
もう一度、優しく頭を撫でてやりセフィロスは保健室を出て行った。
ティナが目覚めた時には心配な顔をした兄弟たちに囲まれていてた。
夢だったのかと、額に感じた暖かな感触にティナは不思議な面持ちで兄弟たちに確認したところ…。
数人の兄弟たちが保健室をもの凄い勢いで出て行ったのだった。
END
はい。なんか、すんまっせぇぇぇん!!!!(ジャンピング土下座)
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