03/25の日記

16:34
パロ
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ティーダ+ティナ




夕飯の買い物には少し早い、午後。

自転車をひくティーダと、貴重品の入った手提げ鞄を持つティナ。

篭にはスーパーで買った今日の夕飯の買い物袋。

二人は家への帰路についていた。



最寄のスーパーへの買い物はたいていティナ一人で行くはずが、おまけがいる。単にティーダは一人サッカーの練習をするため朝早く出て行き、その帰りに偶然、ティナに遭遇しただけなのだ。




「ティーダありがとう」

「え?いやいや、そんなお礼言われるほどのもんじゃないッス!偶然が重なったっていうか…」

「うん…でも、私は助けられた」

「…よかったッス」



確かに篭に入っている買い物袋を見ればそうだ。

今日はタイムセールなのか、もの凄い量の食材が詰め込まれている。

いくら近くても、これをティナの細腕で家まで持って帰れるのか?と疑問に思う。偶然とはいえ、会えて良かったと心中ほっとした。


それよりも、量を考えずに買ったティナのお茶目な一面に気付かないあたりがティーダである。



ふと隣りを歩くティナにティーダは横目で確認する。




《…そう言えば、こうしてティナと歩く事なかったな…》

《皆がティナ大好きだから、だけどさ…》

《……どうしようか》




隣りを歩くティナにティーダは話しかける




「なぁティナ」

「ん?」

「その、まだ晩御飯まで時間あるじゃないっすか?」

「…うん。そうだね」

「その…ティナが良ければ、二ケツで散歩しないっすか?」

「え?」

「いや、嫌ならいいんだけど」

「ふふ。…嫌、じゃないよ」




ティナはティーダの申し出にふわりと微笑んで見せた。

その顔にティーダはぱっと表情を明るくし、ニカっと笑う。





「そーと決まれば乗った乗った!!」




ティーダは自転車に跨り、ティナに後ろへ乗るように促す。

ティナは意気揚々とするティーダを眩しそうに目を細め微笑みながら、横座りする。

そして、ティーダの腰に腕を回し背中にぴたりと密着させた。

背中から伝わる温かい体温にティーダは一瞬、込み上げてくる嬉しさに顔を緩める。




「よっし!!しゅっぱーつ!」




ティーダはティナへ振動を感じさせないように、気を配りながらペダルを軽やかにこいだ。


どんどん速度を増して肌に感じる風が気持ちいいと思うようになる。

ティーダは目的もなく自転車を走らせる。その後ろでティナは動く景色を眺めながらティーダの金と異なる橙色のなびく髪を見詰める。


後ろから見詰められていることなど知らないティーダは先程のやり取りを思い返していた。





《ダメ、かと思った…》

《あんまりティナと二人でいたことなかったから…》

《俺が誘っても付き合ってくれないんじゃないかって》

《でも、俺が思っているほど…ティナはそういうの考えてないんだなって感じた》

《俺が勝手に思ってるだけで、ティナはそうでもないんだ…》

《俺……なに遠慮してたんだろう》




「ティナ〜」

「なぁに?」

「ありがとうッス!!」

「??」

「うっし!飛ばすっすよー!!!」

「きゃっ!」

「あああああーーー!!!!」




ティーダは少し前傾姿勢になり更に速度をあげた。ティナは驚きティーダの体にしがみつく。

突然、叫びだして走るものだからティナは驚くきその後ろ頭を見詰めた。

先程ティーダから感じていた距離感がなくなっているのだ。


ティナはティーダの背中に横顔をつけて微笑むと、腰に回していた腕に自然と力がはいった。


それを感じたティーダは満面の笑みで、ペダルをこぐ。



時間を忘れて走り抜ける二人を太陽だけが見守っていた。







−物語は始まったばかりだ−

END



…二ケツはいけません(そこかい)

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