03/31の日記
23:44
パロ
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ゴルベーザ+ティナ
ティナは校舎裏の花壇の水遣りをしていた。
水のやりすぎに注意しながら、一つ一つの花に気を配る。
太陽の光を受けて光合成をする花びらの雫が輝いていた。
揺れる花々にティナは自然に綻んでしまう。
「花は嬉しいと言っているかティナ・ブランフォード」
「っ?」
頭上から声がし、顔を上げれば窓から顔をだす科学教師のゴルベーザがいた。
花壇のすぐそこは科学準備室だった。
あまり立ち寄った事もないし、全く気に留めていなかったとティナは驚く。
言葉が出ず、瞬きをして見詰めてくるティナにゴルベーザは小さく笑った。
「すまないな。驚かすつもりはなかった」
「いえ…」
「それで、花は何と言っている?」
「……?」
「お前の感じた事を言えばい〜のだ」
「……気持ちいいって…」
「そぉか、そうであろうな。今日はいい天気だ」
「…ゴルベーザ先生はとても、不思議ですね」
「私が?何故そ〜思う」
「………わかりません」
「はっはっは。答えになっていないな」
「…すみません」
しゅんと少し俯き、胸に手を置くティナにゴルベーザは素顔が見えない仮面から覗く。
「(なるほど…この少女の魅力の一つというわけか)」
感じ取っている事を問われると、どう答えていいか解らず言葉が出てこないティナ。そのもどかしさに悩む姿が今後の成長を楽しみにさせてくれる。そして何処か、遠慮も見られる。
これが実弟セシルが愛してやまない少女。
「謝る必要などない。だが、言える事は言ったほうが良い」
「…」
「恐れがあったとしてもだ」
「…でも」
「先には進めない」
「………はいっ」
「うむ。良い〜返事だ」
仮面で見えないゴルベーザが笑顔な気がしてティナは微笑む。
それを見届けるとゴルベーザは小さく頷き、静かに窓を閉めたのだった。
-まだ歩きだしたばかり-
END
鹿賀さんヴォイス…いいですともー!(コラ)
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