04/02の日記
23:39
働かざる者なんとやら2
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☆矢の夢小話。名前変換不可です。
翌日
執務に追われるサガとアイオロスの手伝いをしていたルージュの元にアテナからの荷物が届いた。
ルージュはあっと気付いて荷物を受け取る。
二人はその荷物を不思議に思いながら、それでも手は書類の整理に追われていた。
荷物に付いていた手紙を読むとルージュはそのそれを持って、執務室を出ようとする。
その姿を見送るサガとアイオロスにルージュは振り向き、微笑んだ。
「サガ、アイオロス。少し…待っていてくださいな」
それだけ言うルージュに二人はただ頷くしかなく…見送った。
執務室を出たルージュは自室へと入り、美しく包まれた荷物を広げる。
シーツへ広げたそれを一見した。
カチューシャ。黒いエプロン。両肩部分が膨らんだ真っ白いワンピース。黒パニエ。フリル付きオーバー黒ニーソックス。
所謂、メイド服である。
これを着る人物と強要する人物間で様々な意味を含んでいるこれの存在をルージュは全く知らない。
ただ解ることは…アテナからの手紙に書いてある
『これを着れば、シオンのみならず皆が働く』
と、いうことだけであった。ある意味、間違ってはいない。
ルージュはアテナのお申し付け通りにそのメイド服を着用していく。
一つに結んでいる栗色の髪を解き、二つに分けて結ぶ。
ツインテールである。
そして、カチューシャを留めて二つ折りの紙を手に取った。
「おしごとしてくださいませ……ごしゅじんさま……?」
紙に書いてある文字をそれはそれは棒読みに口にする。
ルージュは解らないと小首を傾げるが、まぁいいかと自室を出た。
目指すは執務室。
執務室にはサガとアイオロスがいるが、シオンは姿を暗ましている。確実にサボっていることがわかる。
執務室へと向う廊下でルージュはテレパシーでシオンを呼ぶ。
<シオン…シオン…>
返事はすぐに返ってきた。
<どうしたルージュ>
<今、どこにおられるのですか?>
<む……>
<シオン?>
<…童虎のところだ>
<天秤宮ですか。わかりました。>
<お前も来るのか?>
<ええ。お迎えにあがります>
<…好きにするがいい>
<ああ。お言葉に甘えて…>
ルージュはテレパシーを切る。
サガとアイオロスにシオンを迎えに行くと一言いうため、執務室のドアをノックし入った。
丁度、ドア近くにいたサガはルージュだと顔を上げる。だが、その姿に持っていた書類を床に撒き散らした。
サ「ルージュ様。先程のにも…つ……」
ロ「?どうしたサガ。………!?」
足元に流れてきた書類に気付いたアイオロスがサガを一見し、表情を失ったサガの視線の先の人物を見るや否や、言葉を失う。
驚きが一番なのだろうが、だんだんと赤面する二人に気付かないルージュは普通に微笑んだ。
「これからシオンを天秤宮まで迎えに行ってきます。それと、何時ものようにテラスに用意してありますから、しっかり休憩するのですよ」
二人は返事をすることが出来なかった。
メイド服の存在自体はデスマスクあたりの下世話時などで耳にしていたがそのメイド服を生で、しかもあの偉大なアテナと並び証されるルージュが着るなど誰が思うであろうか…。
颯爽と姿を消したルージュに二人は幻覚だと言い聞かせ、休憩しようとテラスへと出たのだった。
二人がある意味、言伝通りに休憩していることなど知らないルージュは教皇の間を通り、十二宮の階段へと向う。
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