12/31の日記

23:39
パロ
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悟チチ+ターレス





最初は女が男を追いかけているだけの、戯れだと思っていた。

だが、そうじゃなかった。

普段は何も感じていない顔をしている男が、一瞬だけ飢えた野獣になるときがある。・・・いや、野獣などかわいいな、金色の悪魔といったほうがいいか。


金色の悪魔を目覚めさせてしまったのは、ほんの出来心がよんだ行為だった。

憐れだと思った女に、寝首をとる感覚で一つ口付けをしただけ。

別に情けなどかけたつもりはなかった。

ただ男に相手をされていないのなら、こちらとして都合がよかったから、だ。


偶然だった。


口付けをして離れたその現場をきっちり押さえられていた。

こちらが男に気付く前に、体が宙を舞っていたのに少なからず驚いたのを覚えている。

自分もそれなりに強さをもっているほうだが、あれほど一瞬の隙をつかれたのは初めてで・・・また、おかしいくらい清々しい気持ちだった。


拳を振るったそれを見たときに、気付いたのだ。


決して、女だけが男を追いかけているのではないと。

むしろ、男は危険な執着心を女へ抱いている。







「・・・次、チチの唇に触れてみろよ。ターレス」


「・・・・」


「その時は、かすり傷ですまねぇぞ?」


「・・・くく。唇、だけか?」


「・・・言ってろよ」




ぎらりと殺気の炎をたぎらせる翡翠の瞳。

女が泣きわめきながら男の胸に抱きつく姿がかわいく思えてくる。


男に恐ろしいほど熱く想われていることを知らない女。

激情はなりを潜めて、内なる欲望を常に抱く男。


・・・・面白いじゃないか。





花言葉 「好奇心」

END



…闇討ち

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