03/29の日記

22:37
パロ
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悟(カカ)チチ






その翡翠の瞳が怖い。

たまに真剣な瞳で見つめてくるから息が止まりそうになる。

だって真剣に見つめてくる時は決まって言葉がないから。

強く引き寄せられて、厚く逞しい胸におさまっても不安でならない。


口下手なの知ってるつもりだから、何かあるんだろうなって思ってる。


でも・・・締め付けんばかりに強く抱きしめ続けられたら全部わからなくなる。






「悟空さ・・・」


「・・・」


「悟空さ・・・」


「・・・」


「不安にならねぇでけろ・・・」


「・・・うん」







気持ちと口から出た言葉は違っていた。


ああ、そうか。

不安で仕方ないのは私ではなく、この人なのか。


自分のことばかり考えていたなんて、馬鹿だね。




「ごめんな。悟空さ・・・」



不安にさせて、ごめんね。



「大丈夫。な、大丈夫だから・・・」


「うん。」




年がら年中、鍛え上げている強靭な肉体も、内から押し寄せる不安の前では何の意味もなさないというのか。


そんな瞳をしないで。

私はここにいる。

そして、あなたもここにいてくれる。




「チチ・・・」



「ん?」



「早く風邪治してくれよ。」



「・・・・んだ。」




この人の思考基準はいつも極端なのを忘れていたのは、風邪ではなく深すぎる愛ゆえ。

END




・・・火あぶり。

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