02/13の日記
00:39
パロ
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悟(カカ)チチ
夏が終わりそうなある日。
りんごの木の下で、新婚熱々の二人は寄り添って戯れていた。
夏も終わりそうで、蝉の鳴き声はもうない。代わりにトンボが飛び交っているのだが、強すぎない太陽の日差しと心地よい風に包まれていることによって、肩がむき出しのチャイナ服でも快適に過ごせていた。
「あん悟空さっ」
「チチのちち〜」
「やんだ〜」
「へへ。柔らけぇな」
・・・この二人にとって季節は関係ないのかもしれない。
悟空はふざけてチチの胸を指先で突っついたと思えば、チチの膝へごろんと頭をのせてすりすり、柔らかい太ももの感触を楽しむ。
そんな悟空の戯れに、チチは恥ずかしさで頬を染めるも、猫のように擦り寄ってくる悟空の金髪を優しく撫でていた。
「なぁ、悟空さ」
「なんだぁ?チチ」
「おら 幸せだべ」
「オラも幸せだぞ」
「んだ。おら 悟空さのお嫁さんなれて、本当によかっただ」
「おう。オラもチチを嫁にもらってよかったぞ」
「んだ。悟空さは優しくって強くって素敵な旦那様だべ」
「おう。チチの手料理は宇宙一で、なによりチチが一等美味いぞ」
ぴたりと金髪を撫でる手を止めるチチ。
優しく撫でてくれる愛しき感触が止まったことに悟空は自然とつむっていた目をぱちっと開く。
「・・・・・」
「・・・・ん?」
目を開けなければよかった。
瞬間、手刀が一直線に落ちてきた。
あまりの唐突に悟空は避けるのに必死で、不覚にも転がってしまう。
体勢を立て直し、チチへ向き直ると手刀が飛んできた。
今度はきちんと見切りながら、軽々と避けていく。チチの攻撃など当たるはずがないというのに、顔を真っ赤にして攻撃を続ける。
「な、なんだよチチ!!」
「悟空さのバカ!!そったら こっ恥ずかしいこと言うでねーだ!!!!」
「恥ずかしいこと??」
「お、おら…が…………バカ!!!!!!」
チチの得意技、右回し蹴りが炸裂。
「あ?ああ。おめぇが美味いってことか?」
それをかかんで避けては、スリットからすらりと伸びる生足と可愛らしいレースの白パンツをちゃっかり拝む悟空。
「言うでねぇー!!!!」
「なぁに恥ずかしがってんだよ?本当のことなんだからイイじゃねーか」
「よくねーだ!!!そったら恥ずかしいこと人前で、おらの前でも言わないでけれ!!!!」
「なんだよ。夫婦に隠し事はなしって言ったのチチだぞ?」
「上手いこと言ってんじゃねーだ!!!!」
「だって、うっわ!!!」
「きゃっ!」
攻撃に夢中なチチと避けながらチチの反応を面白がっていた悟空は気付かなかった。
自分たちがだんだん湖へと向かっていたことに。
気付いた時には二人とも濡れてしまった。
悟空はチチに押し倒された状態ながらも支え、チチは咄嗟のことで悟空に馬乗りであろうとしがみ付いている。
「「・・・・・」」
ちらっと二人、視線が絡み合う。
どちらともなく、小さく微笑み合って笑い出した。
「チチ。濡れちまったぞ。帰ぇるか」
「んだ。」
先ほどの痴話喧嘩もどこへやら。
この二人に季節は関係ない。
END
…火あぶり刑。
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