03/30の日記

22:34
学パロ
---------------
カカチチ





よく周りの奴が何かに対して「ヘタレ」と抜かす。

俺はそれを何も感じることなく聞き流していた。


聞き流していたというより、聞きたくなかった。






「カカロットさー!」



きた。



「おはよう。」


「・・・おう。」


「んもぉ〜、相変わらず無愛想だべなぁ」



それはお前だからだ。



「・・・」


「ま、それがカカロットさだな。さぁ!行くべ?遅刻しちまうだよ。」



さらりとそういうことを言うなよ!!

わざとか!!?いや、こいつはバカ正直だから本音だ。

だったらなおさら性質が悪い!!!



「って、おい腕 引っ張るな!」


「やんだ!照れちまって〜」


「〜〜〜〜っ」



照れてなんかない!!

断じて照れてなんか・・・!!!

静まれ俺の動悸!!!!



「なぁカカロットさ?」


「…なんだ」


「なんか、こうして一緒に登校してっと彼氏と彼女みてぇだな?」



かかかか彼氏!!!!???

新たな爆撃!!!!



「…バカじゃねーの」



だぁぁぁ!!!違う違うだろ俺ぇぇぇ!!!!

俺のアホ嬉しいくせに!!!



「ふふ。ごめんな?だってカカロットさ、カッコイイんだもん。」



そんな笑顔でさらりと言ってのけんじゃねぇぇぇ!!!!!

ヤバイ、心臓爆発する。



「…おめぇに言われたって世辞にも聞こえねーよ。」


「はいはい。」





・・・・大馬鹿野郎だ・・・・



そう、俺は幼馴染とも言えるほど近くもない存在の女"チチ"にどっぷりハマっちまっている。

チチは高校で頭脳明晰、才色兼備だなのなんだも言われている超優等生だ。

そういう俺は、生まれつきの金髪に翡翠色の瞳、親父ゆずりの負けん気+強靭な図体。それでもって喧嘩三昧のだらしがない服装。世間一般で不良にはいるらしい。

誰もが俺たちを月とスッポン、豚に真珠うんぬん抜かしている。
好きに言わせておけばいい、俺自体はそんな見てくれ悪くないからそれなりに女だって寄ってくるし?怖がって寄りつかないならこっちは好都合なんで全然気にしてない。

それでも、こんな俺の側にはいつもチチの姿があった。
俺を不良だといちゃもんつけてあらぬ噂を垂れ流し俺を避ける奴はたくさんいるのに、チチは・・・チチだけは違うと言ってこうして一緒に行動してくれていた。


チチが側にいるのが当たり前になっているのに気付いたとき、チチへの気持ちを自覚した。



少しはチチも俺を意識してくれているのかと思っているんだ。

だって、あんな普通に男に腕を絡ませてくるか!!??

・・・まさか、俺は男と思われていない・・・?

いやいや、それは一番まずいだろ!!!!!



「カカロットさ。」



どうすれば男と見てもらえる?



「カカロットさ。」



俺、どう見たって男だろ?

あ、モノはついてるから性別的には男だ。

って!!外見じゃなくて中身だよ!!!



「カカロットさ。」



なんだよチチ。

今、お前にどうやったら男に・・・・・・っ!!?




「・・・な、なんだ?」


「なんだ?じゃないだよ。何ボーっとしてんだか…。ほら、学校さ着いたべ?」


「ぁ…」



俺としたことが、学校に着くまで悶々していたのか!!

しかも、いつの間にか腕解かれてる。

はぁ・・・。



「大丈夫だか?熱でもあるんでねぇか?」


「っ!!!!???」



だぁぁーーーーーっ!!!!!!!!!

顔近い!!近い!!!近いぃぃいい!!!!



「ん〜、熱はねぇだな。でも、油断禁物だべ?具合悪かったら帰るだぞ」



「・・・あ、ぁぁ。」



もうお前のせいで死にそうだなんだよ。


内心、瀕死状態の俺をお前は知らないで笑顔で手を振る。



「じゃーなカカロットさ。」


「おう。」




お前の側にいられることと、お前が俺の側にいてくれる微妙な距離がもどかしく、全てを奪い去りたい俺と、その微妙な距離を壊すことを恐れて歩けないもう一人の俺がいる。



「・・・ばっかみてぇ」




俺はお前限定の「ヘタレ君」





・・・続かないです。

前へ|次へ

日記を書き直す
この日記を削除

[戻る]



©フォレストページ