04/11の日記

22:36
Last
---------------

カカチチ





「ずっと待っていたんだぞ。」

「…ごめんな。」

「長い年月だった…どうして、なんで来なかった?」

「……ごめんな。」

「お前は謝ってばかりだ。」

「んだ。おら ズルイな。」

「……。」

「…カカロットさ。」


「…………いいよ。」


「…。」

「それでも、お前は来てくれた。」

「……ごめんな。」

「だから、謝るなよ。」

「………謝ることしか おら 出来ねぇだよ。」


「やっぱりお前はズルイな。」

「……んだ。だから、忘れてけろ。」


「出来るもんなら、とっくにそうしてるよ。」

「…それもそうだな。」





「…いくのか?」


「んだ。」


「どうしても?」


「…んだ。」


「いくなよ。」


「…。」


「チチ。」


「カカロットさ。」









  「「愛してる。」」







君を待つこと20年。

君の好きなこの場所に毎日通っていた。

やっと、出会えたときには死によって別っていた。


君の姿を見た瞬間、俺の全神経はマヒに襲われてしまった。

何故か、不思議に悲しさはない。






「…やっと、言えた。」


「おらも…。」





小さく細い、それでいて力強い君の手。

20年前となにも変わっていない。


あったかい君の手。




蒼く輝き放つ美しい湖の水面に、消えていった。



END



……謎。

前へ|次へ

日記を書き直す
この日記を削除

[戻る]



©フォレストページ