獏良とバクラの日常
□獏良とバクラの日常6
1ページ/5ページ
ウィーン…と掃除機をかける音が部屋の中からしている。
僕はリビングを掃除していた。
「ちょっと、バクラ!リビングの真ん中でねっころがらないでよ!掃除の邪魔!!」
掃除機の先でバクラを突っついてやった。そうしたら、バクラのTシャツが掃除機に吸引されて、少し背中が出た。
「うぉ!?ちょ…止めろよ!掃除機に服が引っ付いてるぞ!」
「それなら、早く退いてよ。」
バクラは舌打ちをしながらしぶしぶ退いた。
僕はさっきまでバクラが居た場所に掃除機をかけはじめた。
しばらくして、掃除が終わった。しかし、バクラの姿が見えなかったので僕は一通り家の中を探した。そうしたら僕が物置に使ってる部屋にアイツはいた。
「ヤケに静かだと思ったら、ここに居たんだ。掃除終わったよ〜。」
「おぅ。」
生返事が返ってきた…。ずっと俯いて何かを見ている様子だったから、本でも読んでいるのかな。と思って近付いてみるとそれは僕の昔の頃のアルバムだった。
「あ、懐かしい〜これ僕が3歳位の頃の写真だ。」
「やっぱり、この写真のガキは宿主か。幼いってだけであまり今と顔付き変わらねえな。」
「え〜そうかな?」
バクラが昔から女の子みてぇだ。とか言ったので、軽くバクラのほっぺを抓ってやった。
ペラペラとアルバムをめくっていると、バクラはある写真が目に付いた。
「なあ、このお姫様の格好をした女の子は宿主の妹か?」
「うああぁ!!」
この写真を見たとき恥ずかしくて思わず手でアルバムに覆い被してしまった。
なんで…なんでこの写真が僕の家にあるんだよ!!
僕の慌てる様子を見てバクラは察してしまったらしい。
「これ、もしかして宿主か?」
うぅ…僕のバカ!その写真は天音だよって嘘をつけばよかったのに!!
近くにあった、折りたたみ式のパイプ椅子を持って、バクラの頭を叩いて忘れないだろうか…。そう思ってパイプ椅子に手をかけた。
「そうだよ……。
あぁ〜バクラなんかに見られるなんて恥ずかしい!!今からこの写真のことを忘れて!!」
「やめろ!パイプ椅子で殴ろうとするんじゃねえ!!」
僕の持っていたパイプ椅子をいとも簡単に、バクラに奪われた。
「…ったくよ、ちょっと恥ずかしい写真を見られたくれーで暴れるんじゃねぇよ。第一、宿主はコスプレとかノリノリでやりそうだしよ…今更、躊躇いなんていらねぇだろ。」
「なんだよ、それ。それじゃあ僕がコスプレの趣味があるみたいじゃないか。」
なんかムカつく…バクラのほっぺをさっきより強めに抓ってやった。