失ってから気付いた想い
□失ってから気付いた想い
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そして1週間がたって面会許可が出たと西門さんが教えてくれて、あたしは道明寺の病室を訪れた。
しかし・・・そこにいたのは・・・道明寺であった道明寺じゃない人だった。
『誰だお前!?』
『類の女か!?』
『めざわりなんだよ!!消えろ!!』
『ビンボー女マジウゼェ!二度とここに来るな!』
道明寺は記憶を失ってしまった。
それも・・・あたしのことだけ。
そしてあたしを見るなり罵声を浴びせてきた。
怒りや憎しみが満ちた目であたしを見てきた。
あの優しい道明寺の目は・・・笑顔は・・・どこにいっちゃったの?
悲しくて辛くて、あたしは毎日のように非常階段で涙を流していた。
そんなあたしを癒してくれたのが・・・花沢類だった。
『司はすぐに思い出すよ。あんなに牧野を求めていたんだもん。』
『俺が一緒にいってあげる。だから頑張って。』
いつも優しい言葉を掛けて励ましてくれた。
でもその時のあたしの精神状態は限界だった。