失ってから気付いた想い

□失ってから気付いた想い
2ページ/3ページ

そして1週間がたって面会許可が出たと西門さんが教えてくれて、あたしは道明寺の病室を訪れた。


しかし・・・そこにいたのは・・・道明寺であった道明寺じゃない人だった。


『誰だお前!?』


『類の女か!?』


『めざわりなんだよ!!消えろ!!』


『ビンボー女マジウゼェ!二度とここに来るな!』


道明寺は記憶を失ってしまった。


それも・・・あたしのことだけ。


そしてあたしを見るなり罵声を浴びせてきた。


怒りや憎しみが満ちた目であたしを見てきた。


あの優しい道明寺の目は・・・笑顔は・・・どこにいっちゃったの?


悲しくて辛くて、あたしは毎日のように非常階段で涙を流していた。


そんなあたしを癒してくれたのが・・・花沢類だった。


『司はすぐに思い出すよ。あんなに牧野を求めていたんだもん。』


『俺が一緒にいってあげる。だから頑張って。』


いつも優しい言葉を掛けて励ましてくれた。


でもその時のあたしの精神状態は限界だった。
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ