失ってから気付いた想い

□失ってから気付いた想い
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そしてあの日・・・あたしの心はコナゴナに崩れ去っていったのだ。


いつものように病室に行くと・・・そこには道明寺と楽しそうに話す・・・『海ちゃん』がいた。


海ちゃんはこの病院に入院していて、道明寺と話すようになったらしい。


最近ではいつも病室に入り浸っている。


あたしは・・・そんな二人を見るのは辛かった。


でも花沢類が一緒に来てくれていたからなんとか耐えてこれた。


・・・それも今日まで。


今日は花沢類が用事があると言っていたので一人でやってきた。


今日は道明寺との思い出の品を持ってきていたのだった。


土星のネックレス、野球ボール、数枚の写真・・・


これを見れば・・・思いだしてくれる。


そう思っていた。


しかし


『なんだよこんなもん。知るか。』


道明寺はそう言ってそれらをゴミ箱へ放り投げた。


・・・ナンデ・・・アレハ・・・アタシタチノ・・・タイセツナオモイデジャナイノ・・・?


心が抉られたみたいになった。


そして・・・あたしは次の言葉に打ちのめされた。


「つくしちゃん!あのね、海と司君付き合うことになったの!」


・・・えっ・・・・?


何言ってるの・・・?


「だからもうここにはこないでね?司君、つくしちゃん見るとイライラするみたいだから。」


海ちゃんはそう言ってあたしを病室から押し出した。


道明寺を見ても、道明寺は冷たい目であたしを見るだけだった。


なんで・・・?どうして・・・?


海ちゃん・・・あたしと道明寺が付き合ってるって知ってたよね・・・?


どうして・・・


あたしはその場で泣き崩れた。


『これは罰ですか?


道明寺を好きになった罪に対しての・・・


あたしたちは・・・決して結ばれない運命だったんですか?』


やっとお互いの気持ちと向き合えて・・・これから頑張ろうって誓ったのに・・・


あの島で・・・約束したのに・・・


何があっても離れないって・・・


どうして・・・?


アパートに帰ってからも泣き続けた。


一生分泣いたんじゃないかってぐらいに。


そして・・・あたしはある行動に出た。


さよなら・・・道明寺。西門さん。美作さん。桜子。滋さん。優紀。・・・ごめんね。花沢類。
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