失ってから気付いた想い

□失ってから気付いた想い
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樹の言葉につくしは顔を上げた。



・・・隠した・・・?



なぜ・・・?



「類たちは今でもあなたを探しています。・・・私はあの日・・・司君の病院で泣いているあなたを見たんです。
そしてご両親のもとへ行ったのも知っていました。・・・しばらく独りでいたいだろうと思って私は情報操作をしてあなたの居場所を類たちにばれないようにしたんです。」



たしかにあの時は1人になりたかった。



おかげでゆっくりと自分の気持ちと向き合えた。


それが・・・ここにいる樹のおかげだったとは、つくしは思いもしていなかった。


「勝手にそんなことをしてすみませんでしたね。でも・・・そろそろ大丈夫ではないかと思いまして。」


樹さんの笑顔が花沢類の笑顔を重なって、あたしはまた涙を流した。


「今すぐ会うのはあなたも心の準備が必要でしょう。私のもとで働きながら自分の気持ちを整理してはいかがですか?」


「でも・・・あたしなんかじゃご迷惑を・・・」


「あなたはとても優秀だとお聞きしました。それに誰でも初めては失敗もあるでしょう。」


「あの・・・類さんは・・・今・・・」


あたしはこの3年、みんながどうしてるのか全く知らなかった。


知りたかったけど・・・知れば会いたくなるから調べなかった。


「類は今頑張っています。大学へ通いながら仕事をして、今では周りからも認められるようになりました。」


あの三年寝太郎の花沢類が・・・あたしはその姿を想像しただけで笑えてしまう。


「あの・・・精一杯頑張りますので・・・よろしくお願いします!」


あたしは樹さんに頭を下げた。
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