Novel-長編

□失いしもの9
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類達から牧野がいなくなったと聞いてから数週間。


昨日は牧野の誕生日だった。


牧野・・・お前は今どこにいるんだ?


「司さん。この間のお話ですが・・・婚約はけっこうです。」


ババアがいきなり言ってきた。


「なんだよそれ・・・。どうゆうことだ!!??」


「他の方と婚約していただきます。」


・・・はぁ!!??ほかの奴!!??


とにかく・・・婚約はかわんねぇじゃねぇか・・・


「で・・・今度の相手は?」


俺は別に興味もないから適当に聞いた。


「まだ申込みの最中ですが・・・フォード財閥のご令嬢です。」



フォード財閥?・・・あそこには・・・


「あそこは子供がいないはずだろ!!」


するとババアは俺の前に新聞を差し出した。


「新聞くらい読みなさい。」


俺はしぶしぶその新聞をみて目を丸くした。


「フォード財閥のすべてを娘の夫に!!??」


ありえないだろ!!フォード財閥と言えば道明寺よりはるかにでかい財閥。


「こんなにいい話はないわ。司さんにはなんとしてもレイさんと結婚していただきます。」


ババアは一人楽しそうに話していた。


しかし


「社長。フォード財閥の方からお電話です。」


秘書の西田が携帯を持ってきた。


「あら・・・さっそくね。」


ババアはしばらく電話で話していたが、その表情が険しくなっていった。



「・・・・わかりました・・・。いえ・・・でもこちらも引き下がりませんわ・・・」


そういうとババアは電話を切った。


「なんてことなの!!」


「・・・断られたのか?」


俺がふっと笑いながら聞いた。


するとババアは俺を睨みつけてきた。


「フォードのすべてを手に入れられるチャンスをみすみす逃せられますか!西田!レイ・フォードについて調べなさい!」


ババアは西田に命令した。


そんなことどうだっていい・・・。


俺は・・・牧野じゃないとダメなんだよ・・・


総二郎やあきらに電話して牧野のことを聞いたが2人から帰ってきた答えは同じ。


俺はあのときなぜ牧野の手をとらなかったのかと後悔した。


俺があの手をとっていたら・・・
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