★Short story★

□言えぬ想い(仮)【更新中】
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「ああアアアっーアっスラァーン」

雄叫びのような怒号と共に、もの凄い勢いで開け放たれたドア。

その教室内に居るこのクラスの生徒は、またかと内心思いながら、これから始まるであろう騒動の家中の人物に視線を向けた。

ドアの下で息を切らしていた銀色の髪の少年は、形のよい繭の間にしわを寄せ不機嫌を隠さぬまま、緑の制服の多いこのクラスの中浮かび上がるような、紅を身にまとった濃紺の髪の少年の元へ靴音高々に近寄った。
濃紺の髪の少年は、銀色の髪の少年の行動を目で追いながら、彼が目の前に来ると同時に微笑んだ。

「今回も、俺の勝ち」

銀色の髪の少年が言葉発する前に、濃紺の髪の少年が今回の揉め事の焦点となっている勝負の結果を告げた。

皆が見惚れるほどの微笑を浮かべた濃紺の髪の少年と、事実である『負け』の結果に対しいちゃもんつける前に微笑みと共に勝利宣言され、なわなわと震える銀色髪少年。二人ははライバル関係にあった。

周りから見れば"犬猿の仲"とでも称されそうな彼等は、この学園に入学当時からトップをキープし続ける少年たちでもあった。
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