★Short story★

□温かい夢
2ページ/7ページ

『アスラン!!』
「!?」

耳に入ってきた大音量の声に、身体が跳ねた。
余りに突然の、夢からの覚醒に頭が付いて行かず、呆然と目の前にある顔を眺めた。
視界にある色は夢の中ですら求めた色ではない、茶色。
暖かな雫が頬を伝った。
頬を伝う感覚が、現実へとアスランを誘う。
ぼやけた視界が彼―キラに定まると同時に、アスランは目を瞬いた。状況が理解できなくて。

「……大丈夫?アスラン?」

少し労うようなキラの声音。一応、と言った感じで頷いたアスランに対し、キラが苦笑した。
キラを中心に動かした視界に、これまた心配そうなメイリンが映った。
そして、理解する、この場所と今の状況を。

「……アークエンジェル…か」
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ