過去拍手文
□12月/雪
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* 逹瑯 ver *
『逹瑯ー!!』
せっかくのオフだってのに朝っぱらから起こされる
犯人は勿論、俺の彼女。
『逹瑯逹瑯!!』
「………んだよ…」
『もう!今日は雪が降るんだよ!!早く起きて!!』
意味わかんねぇ理由で朝から起こすな!とか思いっきりどついてやりたいとこだけど、そこはぐっと我慢して布団を顔まで引っ張る。
そんな俺の行動も虚しく、引っ張った布団は足下までひきはがされた。
『はい起きてー』
「……………;」
無理矢理腕をひかれベッドから引き摺りおろされて。
いつの間に用意してあったのか歯ブラシを俺の口に突っ込むと勝手に服を脱がせ始めた。
「変態!何すんの、寒ィし!!」
『もー逹瑯は文句ばっかりなんだからー』
早く着替えてよね!って言うと、身ぐるみ剥がされた俺を置いてさっさと自分も着替え始める。
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………まぁ…
何だかんだ文句はあるけど、相手は大好きな彼女ですから
一人楽しそうにしてる姿を見てると文句なんかぶっ飛んじゃうってわけ。
そんなにバッチリ支度して、今日はどちらへ行かれるんですかね?
『準備できた?』
「ん」
『よし、行こう☆』
ドアを開けると冷たい風が体を刺す。
鼻までマフラーに隠す俺を見て、小さく笑う無邪気な笑顔。
「どこ行くのー」
『…さぁ?』
「は?!"さぁ"ってお前…」
『んんー。…じゃあ、"目的を果たすまで"(笑』
「…わっけわかんねぇ」
そんな事を言い合いながらも、ただ一緒に歩く事すら楽しいなんて
俺 本当どうかしてる?
吸い込まれそうなくらい晴れた空を見上げてみたりして。
「………あ。」
『………あ!!』
澄んだ青にちらちらと舞う白い花が目に映った。
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「…雪?」
『うん、雪!初雪!!』
嬉しそうにはしゃぐ君
『…はい、これが今日の目的でした☆逹瑯と初雪を見る事ー♪』
不意打ちでそんな可愛い事言うから、もうこの繋いだ手は離してやんない。
「…さて、では早くも目的を果たしてしまったわけですね」
『……う;』
こんなに早いハズじゃなかったのに、って零す君
「もうちょい歩いてみますか?隊長。(笑」
その言葉に膨れっ面が一瞬で明るく輝く。
『うん!!!!』
「(笑)
では、参りますか♪」
『わーい!!』
これから始まる冬も、また楽しくなりそう。
もう一度空を見上げ
指を絡めて歩き出した。