過去拍手文
□5月/雨
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* 逹瑯 ver *
『雨ってさ』
窓の外を見ながら動く小さな唇。
『逹瑯みたいだよね』
「…そう?」
『うん。気まぐれだし…気分屋で我儘な逹瑯そっくり』
まぁその辺は否定できないかな…と思って苦笑い。
『…雨嫌い』
「なにそれ、間接的に俺を嫌いって言ってんの?(笑」
さぁ?って言ってちょっとだけ笑う横顔に俺は確信を持つ。
いや、周りから聞いて知ってたんだけどね。
俺ってズルいから確信がなきゃできねぇ事が沢山あんの。
でも
もう大丈夫っしょ?
"嫌い"な雨の中俺の誘いに付き合う君の気持ちは勘違いなんかじゃない
何年も続けてきた"親友"なんて言葉はこの雨にのせて。
「お前さ」
返事は無くて
かわりに視線が向けられた。
「好きなんでしょ?俺の事」
自信はあっても臆病だからこんな態度でこんな言い方しか出来ない俺を許して。
…君ならわかりきってる事かもね。
間を置いて笑顔で零した一言に鼓動が高まり、確信は現実へ。
ねぇ、帰りは手を繋いで帰ろうか。
雨の下、二人きりで。