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□愛しい香り
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暫くして、今日二度目の目覚め。

「…?」

けれど先程の目覚めとは少し違う。
顔から腕、足まで温かかった。
この温もりには身に覚えがある。

「…ザン、ザス…?」

ぼーっとする意識を無理矢理に起こし、顔を上げる。
けれど、抱きしめられているのか相手の顔は見え無かった。
すると声に反応したザンザスが少し離れ、何時も通りの相手の顔がしっかり見えた。
間違い無くザンザスだと認識した瞬間にぎゅっと抱きしめる。

「何処行ってたんだぁ?…オレ…」

寂しかったのだと言おうとして口を閉じる。
きっとまたからかわれるだけだ、と密かに思ったから。

「会議だ。…何も朝からやる事は無いと思うが、出席者の都合がつく日が今日の朝しか無くてな」

嘘などつかずそのままを答えてくれたザンザス。
きっとろくに警戒せずに会話をしてくれるのはオレが一番。
寝起き(二度寝の後のだが)のテンションとは凄いものだ。考えが何時も以上にポジティブで、前向き。

「…よかったぁ、オレ何かしたかと思ったぜぇ…」

そう言った自分の声は驚く程甘い。
なのにザンザスは嫌な顔などせず、微笑して「ンな事ねぇよ」と返してくれた。
きっと今の状態を見れば誰もが“バカップル”と言うだろう。

「…やっぱ本人の匂いが一番いいなぁ…」

そんな甘いような変態のような言葉を呟き、しばし甘い時間を堪能する事にした。






end
2008/6/1

スクがデレデレ(笑)
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