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□消え去る泡沫の夢
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あれから二、三年が過ぎた頃だろう。
結局、ヴァリアーの戦力が大幅に下がるからとオレもボスも厳罰は下されたが助かっている。
そんな生温い仕打ちにあってから、ボスは何だか丸くなったみたいだ。
オレは会った頃からの、まるで燃え盛る業火のような激しい怒りが無くて物足りない。
わざと怒らせようと無駄に足掻く愚かな真似さえしてみた。
なのに、言葉と数回殴るだけ。
骨折するような痛みを味わう事も無ければ、このまま死ぬんじゃ無いか?と思う事も無い。

そう、あの餓鬼共のせいでザンザスはおかしくなってしまった。
もし十代目がザンザスだったら?
クーデターが成功していたら?
もしザンザスにボンゴレの血筋だったら?
そんな独りよがりの空しい事まで考えてしまう。

ーザンザスに依存しているー

まさにその通りだ。
だが、ザンザスは報われ無いと思う。
何も分からないまま九代目に引き取られ、ボスになれるという一心で生きてきた。
なのに自分はなれないという厳しくも変え難い真実。
オレと出会い、起こしたクーデターは敗北。
オッタビオには裏切られていた事が分かる。
そしてリング争奪戦…


(あぁ、もし神様とやらがいるならば、哀れなザンザスに慈悲を…)

オレはザンザスのためになら、喜んで命を差し出すというのに。
頼ってくれないのは何故だろう?

激しく苦しい葛藤に襲われながら、今日もまた生きる。
死までの階段を確実にのぼりながら。



(愛する主に何ができるのだろう…)






end
2008/5/25

リング争奪戦の結果には納得出来ないです…←

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