友達以上、恋愛対象。
□雨のち恋人。
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「おはようございます。本日のお天気をお知らせします…」
いつもより少し早い時間に起床した僕は、ニュースを聞きながらふわぁ、と欠伸を一つついた。
刹那なみにはねている髪の毛をガシガシと掻き回して、ひんやりとしたフローリングに足をつけると、心なしか目が覚めたような気がした。
「夕方から雨のおそれが…」
ニュースキャスターの声をぼんやりと聞きながらヤカンをコンロの上に放置して、今度は洗面台に向かう。朝の恒例行事。
洗面台の鏡にまだ眠そうな自分の顔が映った。ティエリアが見たら、「絞まりのない顔をするな!」って言われそうなくらい気の抜けた顔。
「…おはよう、ハレルヤ。」
そんな自分に苦笑いしながらそう呟くと、脳内から『おー…』という力の抜けた返事が返ってきた。
なんだかんだ言ってちゃんと返事をしてくれるのがハレルヤのいいとこだよね、と心の中で呟くと、『うっせぇ』と素っ気ない声が返ってきたけど、それは苦笑いで流した。
そのまま冷たい水で顔を洗う。眠気はすっかり消えたみたいだった。
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「…よし」
ソファーに掛けてあった上着に袖を通し、端末で時間を確認する。9時。うん、予定通り。
空になったコーヒーカップを流し台に置いて、鞄を肩にかける。
『少しハリキリすぎじゃねぇのか?子供かよ』
「ははは…そうだね」
あたりまえじゃないか。昨日なんて楽しみで眠れなかったんだよ?なんてったって今日は…あ、まずい。5分無駄にした!ほぼ飛び出すように僕は玄関のドアを開けた―――