隠の王

□どうして、そんな顔するの
1ページ/2ページ






自分が恥ずかしくなる

寂しくなる

息が止まりそうな 過ぎ去ったあの日を思い出して

苦しくなる。



痛い

切ない

寂しい

苦しい。



それが分からなくなったのはいつ?

景色が色を失った。ざらざらとした紙に
がりがりと描き殴られたような。
ぼやぼやした線がいくつも重なって。
目をつぶっていないと嫌気がさす。

ひどく億劫で憂鬱だ。


僕が見ているものは本当にここにある?
真っ白などこかで、じっと脳に送り込まれているだけかもしれない。

僕が創られた存在である可能性は?

すべてが誰かの手によって精密に計算され、決められたように動いて、考えて、いまこうして考えているのも誰かの思い通りだとしたら。


寒い。

僕の心は僕のものだ

本当に?



心は僕が変えるもねではないのに?

僕をとりまく全てが僕の心を造るというのにか、

過去何か一つでもかけていたならば、今の僕はなかった


気持ちがよく分からなくなったのはいつ?

体が僕?
心が僕?
僕はどこからどこまで?

どこかに穴のある欠陥品なのか、

だからこんなにも心が流れていく


この気持ちは何?

僕は今なみだをながすべきか


出来ない、

そんなものはどこかで落としてしまった。



適当だった景色に主線が引かれた。

森羅万象を、見つけた。



僕より幼い。
でも、僕より死んでいる。



お前は不安なのか、
隠していても隠しきれないもの

覆い隠そうとするからあらわれるもの。

僕には分かる。


みはる、




抱えているものが大きいと、心がつぶれそうになるだろう

独りきりで背負わないといけない秘密があると苦しいだろう




僕が一番の重荷なんだ


だけど、みはるは優しいから


すごく痛いけど
君の心に触れるたび、

僕の景色は淡い水彩画のような色をおびていった。


君の笑顔に返せるものなんて何もないのに、
みはるにもっと笑ってほしいと思う。






僕が最後、なくなるとき



笑って、

みはる













どうして、そんな顔するの
(宵風の望み)(オレはこんなこと望んじゃいなかった)











080528
NEXTあとがき
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ