【胎動編】最後の時間

□【Ep16】不可解な安息
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-------う、-----頭領-----







男にしては細い、綺麗な声が俺を呼ぶ







起きてくださいよ、頭領








集団を纏める力など皆無で、いつも暴れてはサボってばかりの自分を叱り付ける。

多分、親と別れてから一番身近な存在であり





頭領………と…………

……………………カルマ、いい加減起きろって。水ぶっかけるぞ








そして唯一、自分の名前を呼び捨てにする人物の声。周りに狗が居ない為か、口調がプライベートの物に変化する

爽やかかつ剣呑に





本気で水をかけかねない人物だった為、鬱陶しかったが目を開けた




少し離れた場所に立っているのは、やはり【ヘルハウンド】の副頭領で……






「おはようございます、頭領。朝から腕に華とは羨ましいですねー」






語尾にハートマークを乱舞させながらクソがつくほどにこやかに挨拶をしてくる男を睨みつける


それを受けると男は大して怯えた素振りもなく怖い怖いと連呼する




道化の芝居だ



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