【胎動編】最後の時間

□【Ep12】戦いの序曲
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目を開けると遮断していた感覚が現実に復帰する

一気に押し寄せた音声に眉をしかめ、いい加減完全な位置まで覚えてしまいそうな染みだらけの天井をぼんやりと惰性で眺めた



コンクリートに囲われた建物の中は音がよく反響する




此処は根城にしている建物の一つ


かつては娯楽施設だったらしいその建物は、今やヘルハウンドの溜まり場の一つだ



スラムに点在する廃墟の一つだが、外部への遮音性という意味合いではまだ有効な物件で時々こうした狂宴が始まる











うるせぇ……







木材と皮で作られた、この建物の中にある備品の中では豪勢な部類に入るアンティークソファからのそりと体を起こす





チャリ……っと、首に下げたシルバーアクセサリーが鈍い光を放ちながら鳴った






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