【胎動編】最後の時間

□【Ep13】狂乱の影
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イルはその時、ヘルハウンド領地の薄暗い路地に居た


息が乱れるのも構わず、自分のペースを崩してがむしゃらに走っていたのだが間に合わなかった






【配給】は始ってしまった










冷たい汗と、それとは逆に熱い鼓動


それよりも強く焦燥を感じてイルの顔は蒼白だった





「ど、………どうしよう……ヤバい」





黒髪が汗で頬に張り付くが構う余裕はない












イルはある大きな失敗を犯していたのだ







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