【胎動編】最後の時間

□【間幕劇】未来へ約束
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部屋の主へ向かって更に一歩中へ踏み込むと、靴底に柔らかい違和感



視線を落とすとズタズタに引き裂かれて綿が露出し、つぶらな瞳だった筈の大粒のビーズがデロンと垂れた縫いぐるみ(のなれの果て)がある










 ……………









先日“事故死”した無能な部下の死に様がふと脳裏をよぎって、すぐに無駄な記憶として忘却リストへ移行される


そこでようやく、思わず現実逃避してしまった目の前を再度見つめ直す








思考に耽った前と後で、まったく状況に変化はない



自分の見間違いや疲れが見せた幻覚かと、あらゆる可能性を考慮したが徒労で終わった







部屋の何処かに置かれたポプリの甘ったるい香りを深く吸い込み、溜息を混ぜたゆっくりとした口調で来客は…………………ヴォゼルは、思わず素の口調で尋ねた
















「何してるんだ、お前は」













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