【胎動編】最後の時間
□【間幕劇】未来へ約束
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ヴォゼルが立っている場所から正面に6歩
パールピンクのカウチソファには二人の人物が収まっている
ピタリと体を触れ合わせ、一人は相手の首筋に腕をまわし、もう一人はその体を支えている………………普通に見れば、恋人同士が休日にイチャつきながら睦みあっているようにも見える
汚いものでも見るような侮蔑を込めて睥睨すると、ヴォゼル登場に思考がショートしていた男がようやくまともな反応を返した
「ヴォ、ヴォゼル様!いや、これは……違うんです。誤解です、信じてください
いや、信じられないかもしれないですけど…………って、あの、決してそういうことではなくて……ですね」
「そういうこととは?」
抱きつく少女を必死に自分の体から引き剥がしつつ弁明する補佐官を更に細くなった視界で鋭く抉るように見つめる
途端に酸欠状態の魚のように口をパクパクさせて言葉をなくす平々凡々、年上の部下