【胎動編】最後の時間
□【間幕劇】未来へ約束
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ヴォゼルは開けていた距離を一息で詰めると少女………この部屋の主のセナと視線を合わせる為にカーペットに膝をつき、身を屈める
そして哀れなくらい腫れてしまっている少女の目元に、憐み労わるように、修理品をチェックをするように慎重さと緊張を感じさせる手つきで触れる
ひんやりとしたヴォゼルの指先にセナの熱い体温が伝わる
「どうした?セナ」
その声は真実相手を心配しているように聞こえる
ヴォゼルの愛撫に似た指使いにくすぐったそうに眼を細めるセナ
心配してもらえたと思ったのか、泣き顔がはにかみ笑顔に変わる
つられたかのように優しい笑顔を再度、完全無欠に貼り付けるとヴォゼルは猫なで声にも等しい甘い声でセナに問いかけた