「とりっくおあとりーと!」

「ど‥どーしたんスか先輩」


今朝丸井先輩も仁王先輩も同じことを俺に言った、そしたら知らない間に後ろにいた幸村部長が「俺にお菓子は?」って笑顔で真っ青な顔した先輩達に詰め寄ってた。そうだ今日ハロウィンだったっけ。

家出る時に玄関にでっかいカボチャがあったのはそのせいか。



「あかや、お菓子くれないといたずらしちゃうぞー!」


楽しそうに俺の制服の袖を掴んで左右に揺らすと、俺の腕も一緒に揺れる。
お菓子なんて幸村部長に見つかって没収(という名の強奪)されたからもう無いしなー、なんて考えてたら襟を掴まれて少し下に引っ張られた。
俺よりちょっとだけ背の低い先輩の顔が近いと気づいたときには、ちゅって音がしてその柔らかい唇が俺のと重なってた。


「ふふーん、いたずら!」

「‥‥」


得意気に笑う先輩。

え?これがイタズラなの?
どんだけかわいいんだよ!
とか突っ込みたい気持ちを抑ようと思ったけど余りの可愛さに我慢できなくなってぎゅーっと先輩を抱き締めた。




「そんなイタズラだったら俺一生お菓子あげないっス」

「えー!!」





「‥‥お前らここ教室なのわかってんだよな?」





2009.11.15
拍手ありがとうございます!
ちなみに最後のブン太です。笑


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