リクエスト

□大総統ゲーム☆
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「なんか、ぐるぐるする〜。あはははは」
 自分たちの上司がそう言うので、一同はふと司令官を見た。司令官、エドワード・エルリックは、弟のアルフォンスの肩に額を乗せて、けらけら笑っている。弟はというと、あきれたようにグラスに口をつけていた。

 慰労をかねて、パブで飲み始めたのはいいが、ピッチが早すぎたのか、すでに出来上がっている司令官。
「相当酔っ払ってるな、エド」
 エネルがそういうと、アルフォンスも,ええ、と答えるしかない。
「でも、きょうの酔い方はご機嫌ですね〜。どうしたんでしょ」
「…イイことでもあったんでしょうか」
 エイジとマーカーが司令官を見つつグラスを傾ける。

 エネルがにや、っとわらったので、ふとその手元をみると、紙の束。五つの紙縒りのようなものがエネルの手中から飛び出ているのだ。
「大総統ゲームしようぜ」
「「「「…大総統ゲーム?」」」」
「んだよ、誰も知らないのか。この紙縒りに数字と大総統と書かれている。大総統は、命令をすることができる」
「命令?」
「たとえば、他の紙にほら、数字が書いてあるだろ?1234って。大総統は、1が2に○○をする、とか、1が何かする、とかなんでもいいから命令ができる」
「へえ」
「なんだよ、みんなやる気なしか」
「だって、エネル大尉の考えてることわかるんですもん」
「ああ?じゃあエイジおまえはナシ」
「いいですよ〜だ」
「オレもやる気しませんよ」
「なんだよ〜マーカーもか。…って、アルもか。その顔」
 あきれた顔のアルフォンスに、エネルは大げさにため息をついた。
「はああ、つまんねーヤツラ」

「…ヤル」

「「「「え?」」」」
 四人は、一斉に司令官を見た。
「はいはい!オレやりま〜す☆」
 まさか、エドワードがやる気になるとは、と思いがけない司令官の行動に一同は目を丸くした。
「…相当酔ってるね」
と、アルフォンス。
「酔ってますね」
と、エイジ。
「…カワイイじゃないですか」
…と、マーカー。
「「えッ」」
 アルフォンスとエイジは、にっと口角を吊り上げたマーカーを見た。

「さっすが、エド!」
 エネルはニヤニヤとエドワードの肩を組んで、その紙縒りを差し出した。
「ほら、司令官に先に引かせてやるよ」
「やっりー。ん〜じゃあ、コレ」
「数字は隠しておけよ?」
「おう」
 
 しぶしぶゲームに参加させられた面々は、エネルが差し出す紙縒りを一斉に引くことに。
「大総統だ〜れだ!」
 エネルが、にやり、と笑った。
「オレ様、大総統!」
「うわ〜;」
 
 アルフォンスと、エイジが苦笑を零し、エドワードはああん?とエネルを見た。マーカーはというと、クールにグラスを傾けている。
「えっと〜」
 それぞれに数字を手のひらで確認して、エネルの命令を待った。
「3が1にキス〜」
 はあ!?とアルフォンスとエイジがあきれた顔でエネルと見るが、マーカーは口角を吊り上げるだけ。
「…こんなビミョウな関係な場所でそいうこと出しますか、エネル大尉」
「え、なんで。減るもんじゃなし、いいじゃん。エイジは何番だよ」
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