よみもの アルエド(未来軍部)2

□セントラル編二日目
2ページ/2ページ

「パパが、笑ってるよ」
「え?」
 三人は、一斉にその木を見上げた。
 だけど、木は葉を揺らして囁くように鳴るだけ。
「そう…。大事な子どもを見守りにきてたのよ。エリシアと、エドワードくんとアルフォンスくんを」
 エドワードとアルフォンスは、お互いをみあって笑った。
 そうかもしれない、そう思ったからだ。

「さて、僕たちは失礼します。用事があるので」
「そう、忙しいのね。また家にいらっしゃい。いつでも歓迎するわ」
「ありがとう、グレイシアさん。エリシア、またな」
「うん!バイバイ!」
 
 二人は、歩き出す。
「俺はさ、ヒューズ准将が死んだとき、グレイシアさんに罵られたかった」
「うん…」
「俺の所為だった」
「それは、どうだかわからないけど。でも、グレイシアさんは罵ることはしなかったよね」
「ああ。でも、ほんとうに悪いことをしたと思った。巻き込んでしまったから」
「…うん。僕たちだけ、願いをかなえてしまったんだね」
「うん…。ヒューズ准将は、エリシアをもっと愛したかっただろうに。グレイシアさんと共に生きていきたかっただろうに…」
「うん…」
 突風が吹きすさんだ。
葉が飛ばされ、渦をまき、ふたりのコートが舞った。
『子どもがいらん心配をするんじゃねぇ!おまえららしく生きてみろ』

「え?」
 風の音でよく聞こえない。
「今…」
 二人は空を見上げる。風に舞う葉が、空へむかって飛び立っているのが見えた。
「ヒューズ准将?」
 二人は目をまるくして向き合った。
「かもな…」
 彼は、近くにいるのかもしれない。
 そんな暖かさを、感じていた。

セントラル第二日目オワリ。

 アルエドでもなんでもなくてすみません;セントラル編はの総合キーワードは「守る」です;;
次回「セントラル第三日目」エドワードの浮気(笑)兄さん浮気できるの!?って感じですが(笑)
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ