toy ring

□toy ring 12
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「兄さん!日焼け止めのCMに『al』 の新作水着が使われることになったんだ!」
 弟のアルフォンスが、手がけるブランド『al(エーエル)』 。俳優でもあり、デザイナーでもある多彩な才能をもつ弟。そんな弟を、尊敬しているし、いいことは一緒に喜びたい。そう思っているが。
「…どうしたの?喜んでくれないの?」
「…素直に喜べない…」
「ええっ!なんで?」
「そのCM誰が担当するか知ってるか?」
「プロデューサーのこと?」
 こくり、とエドワードは頷く。
「もしかして、マスタングさん?」
「…そう」
「じゃあ、イメージキャラクターはリザさんなんだ」
「…だったら、いいことだよな〜」
「え?」
 はああっとエドワードは重い溜息をついた。
「まさか」
「…そのまさか」
「『ed』なんだ〜v」
「…なんでそんなに嬉しそうなんだよ」
「だって、嬉しいよ〜。あの『ed』だよ?カワイイから、納得〜…って痛っ!」
 エドワードからのゲンコツが降ってきた。
「アホか!オレが女の水着なんか着れるか!ったく、CMに使うよう進言したことはイイが、まさか自分にオファーが来るとは…」
「え…?もしかして、『al』の水着使うように言ってくれたの、兄さんなの?」
「あっ…」
 口を押さえたが、すでに遅い。
 ふ、っとアルフォンスは目を細めて。
「なんだ」
「ご、ごめん!おまえの実力は知ってるんだけど、どうしてもはじめての水着だったから、推したくて…その、いらないこと…したよな…?」
「ううん、嬉しいよ。ありがとう」
 ちゅ、っとこめかみにキスをされて、エドワードの胸はとくん、と鳴った。
「それに、『ed』が着てくれるなら、何より、幸せだよ」
「アル…」
アルフォンスの言葉に感動して、目を潤ませていたが。
「じゃあ、早速試しに着てみよっか♪」
「……。はあっ?そんな必要ねぇだろ」
 ずいずいと顔を近づけられて、エドワードは後退する。

「ほら、カワイイでしょ?フリフリ系がいい?シンプルなのがいい?それとも、スケスケ…痛てっ!」
「おまえはどこのエロオヤジだッ!シースルーだったら、水着の意味ないだろ!」
「もちろん、それは下着部門で」
「…エロオヤジだ、やっぱり…」
 それでもにた〜っと笑うアルフォンスを睨みつけて、エドワードはどう逃げようか考えているが、アルフォンスの手はすでにエドワードのジーパンを脱がしにかかっていて。
「ちょっとまて。今着る必要がないだろ」
「微調整しないと。やっぱり、兄さんには胸はないし、ダイジなとこにはダイジなものがあるしvおしりは女性みたいに大きくないから、それなりにマジックかけないと。コイビトを美しく見せるのも、僕の使命だから」
 なんだか、キラキラしてますが、アルフォンスくん…。

「まずは、このピンクのフリフリビキニ〜vvお尻のラインにフリルをつけてみました〜。そんでもって、サイドのリボンをはずしたら、あら不思議〜」

 エドワードが止める時間を与えず、するすると服を脱がせ、さらに着せるというワザをいつ身につけたのだろう、とアルフォンス自身も思う。

「ほら、立って」
「ぎゃ〜〜〜!無理!オレ、CM辞める!絶対無理!!」
 エドワードは、自分の中心を両手でおさえて、今にも座りこんでしまいそうなのを、アルフォンスが無理に立たせる。
「大丈夫、ダイジョウブ。兄さんの小さいから」
 がつん。
「いった〜!」
「ち、小さいとか言うなっ!!」
「違うよ、身長じゃなくて…」
 ゴツ。
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