CROSS×HEART fortune・crystal・stuggle 

□宿命との邂逅
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 御崎市は『星の街』とも呼ばれている。

 台風などの極度に天候が酷い日であろうと、何故か晴天のように満天の星空が見れるからた。

 そのため、夜に散歩するという者も少なくない。

 そんな中、その夜に紛れる金色の髪を持つ者が1人──

「これで7つ目……、兄さんが言う『ゲート・キー』は残り20個。ちょっと時間が掛かるけど……待っててね、兄さん」




「時を見据えよ」

 時は午後10:16。子供はもう寝る時間だ。

「我は全てを見据えし……」

 そんな清星学園初等部の校庭には戦闘の傷跡が見られる。

「主を、時を、命を、我が手に……封印開始」

 一筋の閃光が弾けると、そこに立つ者は一人──藤代 鈴のみだ。

「……」

 まるでロボットのように無表情な顔。まるで写してるのに映していないように感情のない瞳。そんな鈴の口から言葉が漏れた、ただ一言──

「疲れた」

 と。




「ただぁぁいまー…」

「おかえり。結構疲れてるね、鈴」

「だって、2日連続なんだぞ。それも学校行きながら」

「そうだよね。あれから1ヶ月経つけどやっと9個だもんね」

「あと16個か、まだ先は長いな」

「でも依頼は依頼だよ。ちゃんとこなさなきゃ。ちなみに18個ね」

「でもあいつら強いやつは強いんだよ、あたしにゃ及ばないけどな」

「とりあえずおにぎり作っといたから今日はもう食べて、お風呂入って寝たら? 明日、早いんでしょ」

「あー、そっか。明後日休みだから泊まろうって言ってたんだっけ」

「どこに泊まるの?」

「ちーちゃんち。クラスの子の何人かで」

「確かに、団体のお泊まりなら智影ちゃんの所は最適だしね。この辺じゃかなり大きい家だし」

「ま、お泊まり会って言ったって殆どドンチャン騒ぐだけだけど」

「あんまり迷惑掛けないようにしなよ」

「わかってるって、んじゃあたしは風呂行ってくる」

「うん。鈴、おやすみ」

「おやすみ」




   翌日

「着替え、持った?」

「うん」

 あたしはちーちゃんちのお泊まり会に行くために迎えの車を家で待ってる。

 そこでかなり心配性の兄、けいの『忘れ物チェッカー』を受けさせて貰ってる。

 けいの忘れ物チェッカーは本当に忘れ物がなくなる。普段の生真面目な性格がこーゆー時、ホント助かる。
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