第二本棚

□僕だけの為の
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「ア…は、……っ」

内腿を唾液を纏った生温い舌先が意思を持って這う。
ザエルアポロは下衣を脱ぎ下ろし素肌を晒す腿の間に顔を埋める金糸に指を幾分強めに絡め下肢に押し当てる様に引き寄せた。
とろとろと滲み出す体液と唾液とで発せられる卑猥な水音に聴覚を犯される感覚に浸りながら、舌が敏感な部分へと這う感触に背筋を仰け反らせ震わせた。

「イ、イ…も、っと…」

小さく快楽に掠れる声で強い刺激を強請る言葉を口にすると無意識に金糸を絡めていた指先に更に力が篭もる。
声に促される様にその舌はくびれや尿道、敏感な所を攻め上げ時折咥内奥深くまで飲み込むと粘膜で擦り上げ的確に絶頂へ誘う。

「…あ、ァ…、飲ん…で…ッ…に、さん…あ、あ、…アァっ」

途切れ途切れに上がる快楽に濡れた己自身の嬌声に口端に自嘲が滲む。
尿道を舌先で抉られ強く吸い上げられると視界が真っ白に染まるのを感じ、そのまま咥内へと精液を吐き出した。
短く呻く声が上がるも上手く精液を飲み下したらしく唇を離す。

「気色の悪い高等な趣味だな。俺には理解し兼ねる。そんな従属官を作って、性欲処理までさせて居るのか。」

部屋の扉の方から上がる声に絶頂後の気怠さに俯かせていた顔を向けるとイールフォルトが明らかに軽蔑を孕んだ表情で此方を見ていた。

「愛らしいだろう。僕の玩具さ。お前の様に誰かのモノになんてならない。僕だけの、玩具。」

そう言いながら床に膝を付いたままの兄に似せて創った従属官の頬に愛撫する様に両手を添えて唇を重ねる。
舌先で唇を割り侵入させると己の吐いた精液の苦味の残る咥内を探った。
視線をずらしイールフォルトに向けると浮かべられている軽蔑の色が濃くなった。

「カス、が」

その表情に僕は再び勃起した。









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だって僕は、兄貴の事が、

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