第一本棚
□Mutual
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一週間振りに研究の為に篭もり切りだった自宮から出た足でザエルアポロはそのままイールフォルトの住まう宮へと向かった。
部屋に着くなり不敵に笑みを浮かべると、「僕の事を抱かせてやろうか」との台詞と共に長い金色の髪をを無遠慮に掴むと自分から引き寄せ口付けた。
口付けは息が上がる程になり、そのままイールフォルトは冷たい床にザエルアポロを押し倒した。
クハ、とザエルアポロは笑い声を上げた。
床には抜けた数本の金糸が散った。
「ん、ッ…焦らすな、カスの分際で…あぁっ」
罵倒の言葉をザエルアポロが漏らすと後孔に擦り付ける様にして焦らしていたイールフォルトはそれを一気に挿入した。
ザエルアポロはその白い喉を反らせ高い声を上げるものの首を元に戻すと口許にはニヤリとした笑みを浮かべる。
その笑みを視界に収めたイールフォルトも同じ様に口角を引き上げると律動し始めた。
「ん…、何時振りだ?研究中抜いていなかったのか?」
「っ…、生理的欲求にかまけている、暇は僕には無いんだ。イールフォルト、お前こそ随分と溜まっているみたいだけど…?」
「…溜まっているのはお互い様だろう」
イールフォルトからの問い掛けにザエルアポロは組み敷かれていながらもそれを感じさせない常とはあまり変わらぬ口調でそう言った。
だが、その口調、表情の中の濃い欲情の色をイールフォルトは見抜いていた。
「その顔しか取り得が無い癖に…女に相手されなくなったか…?」
ザエルアポロは自分と良く似ている顔に手を伸ばしながら内部にて動きを荒くするそれを意図して締め付けてやるとイールフォルトの口からくぐもった声が上がった。
「はっ、俺はお前みたいに色狂いじゃあない」
短い息を吐き出したイールフォルトはふん、と一つ鼻を鳴らしそう言うと、顔へと伸ばされた手を取り床に縫い付けると内部最奥を突きながらザエルアポロの自身を握り込み刺激を与えた。
イールフォルトの部屋の中どちらのものか分からない小さい声が上がり、お互い吐精した。
(他人と言葉を交わす事さえ憚れるというにのに、誰がこの身体に触れさせるというんだ。)
(美的感覚の優れている俺がどうしてあんな下品で卑しい女なんかに欲情出来るというんだ。)
((相手はお前だけで良い。))
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久々なエロ。二人とも余裕振っていても切羽詰って居れば良い。