第一本棚

□女王様VS女王様
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女王様VS女王様





グリムジョーにザエルアポロが暴れているから止めて来い、と言われた。
揺れるザエルアポロの霊圧に気付いては居たが、他人に指摘されると、何とも…。

兄として、なのかは微妙なところだが状況を把握し場合に寄っては行動を止めるべくザエルアポロの元へと向かった。


ザエルアポロの部屋へと行くと其処には、
ザエルアポロと十刃落ちしたチルッチ・サンダーウィッチが床に転がって取っ組み合いの喧嘩をしていた。

一体どうしたら、と急に眩暈がしてきた。


「……。何やっているんだ、お前」

「聞いてくれよ兄さん!!」「出たわね、ブラコン!!」


何とか2人の距離を離して間に俺が入るという形で座らせた。
話を聞くとこうだった。


*****


「何で僕の部屋にわざわざ来るわけ?自分の使いなよ」

「だってアンタのとこ色々揃ってて使い勝手が良いのよ」


そう言いながら勝手にザエルアポロのマニキュア等を引っ張り出しチルッチは塗り始めた。


「別に良いけど。そこら辺汚さないでよ?」

「分かってるわよ」


基本的に、ザエルアポロとチルッチの仲は悪くない。寧ろ良い方である。
かなりの語弊があるが女友達、というところだろうか。


「……で、そのわざとらしく積まれたお菓子の山はダイエット宣言したチルッチちゃんへの当て付け?」

「ダイエット?そんな事言っていたっけ。でも、痩せたところでそんなに変わらないんじゃないかい?元が元だから。幾ら頑張ったって無駄だよ」

「はぁ?男の癖になよなよしたアンタには言われたくないわね」


しかし、両者ともS気質な為にどちらかが引く、という事は無く一度こうなってしまうと収まりが利かない。
罵倒の応酬となる。


「なよなよ…?女の癖に品性の欠片も無い奴に言われたくないよ!幾ら着飾ったりしても所詮売女は売女。だから愛しの愛しの藍染様にも…」


ブチという何かが切れる音共に先に手を出したのはチルッチ。
ビンタがザエルアポロの頬を張る。


「痛…っ、ぶったね!?」

「何よ、親父にもぶたれた事無いのに…!って?何処に居るのよ父親なんて!」

「ハッ、残念!兄さんにもぶたれた事無いのに…!だよ」

「バッカじゃないの!?このブラコン!」

「黙れ売女!ブラコンで何が悪い!?」


研究、実験の頭脳労働を得意とするザエルアポロと、元々十刃に居た力には自信のあるチルッチ、腕力はほぼ互角位。
冷静さを欠いている今霊圧を使うなんて事は頭に無いらしく、取っ組み合いの喧嘩へと発展。


*****


という事らしい。
実に馬鹿らしくて、俺は痛む頭を押さえながら部屋から出ていきたくなった。

「ちょ…、兄さんが出ていく必要無いじゃないか!代わりこの売女を摘み出せば良いよ…!!」



俺を巻き込まない程度に、もう勝手にして下さい。










********************
拍手お礼小説第五弾。
苦労人イールフォルト。
ザエルアポロとチルッチはオトモダチ(笑

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