第一本棚

□絡ませ合う
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頬に手を添えきめ細かい肌の感触を楽しむ様に撫でていると焦れたのかその手を掴まれた。
口許に深い笑みを刻み込むと首を僅かに傾け触れるだけの口付けを何度も落としてやる。
暫くそれを静かに受けていたものの更に深いものを求めてか薄く開かれた唇に視線を落とした。
下唇を端から端に濡れた舌先で辿っていくとそろりと口内へと差し入れる。
は、と漏らされる吐息と共に互いの内臓の末端を絡ませ合わせる。
ざらりとした舌表面の感触が、時折発せられるくちゅりという水音が高揚感を煽る。
衣服を掴んでいた両腕が俺の首へと回され引き寄せるように力が込められた。
背中に回していた腕を下方へと滑らせていくと合わせていた唇がぴくりと震える。
駄目。その意思を読み取る事が出来ると体の線を辿りながら撫で下ろしていた手を止め腰に添えるに留める。
尖らせた舌先で上顎をなぞると喉が震え奥から吐息とも喘ぎとも取れるものが発せられた。



上顎を舌先で撫でられると無意識に体が震える。
主導権を渡すつもりは無く絡んでくる舌を歯で緩く甘噛んでやる。
ん、と吐息と共に小さく声が上がりつられて僕の口角も引き上げられた。
首に回した腕を解き手袋から指を抜き去ると合わせ貪り合っていた唇を離すと銀糸が名残惜しむように繋がっていた。
態と意図して互いの混ざり合った唾液をこく、と音を立てて嚥下する。
上下する喉に欲情した視線が注がれるのが分かる。
手袋を取り去った指先を口内へと無遠慮に潜り込ませ舌を挟むとそれを引き摺り出す。
尖らせた舌先でその表面をなぞる様に辿らせ視線を上方に向けると赤みがかった目が細められていた。
舌の側面を舌の表面で触れその感触を楽しむ。
挟み込み口内へと引き戻す事を阻んでいた指先を、その意思が無い事を悟るとゆっくりと離した。
どちらかの口内ではなくその外で舌先を絡ませ合う。
外気に触れひやりとした舌の感触が先程に増して生々しく感じられた。



ぽたりぽたりと飲み込む事が出来ない唾液が唇から顎を伝い不規則に落ち衣服に染みを作る。
互いの下肢を布越しに擦り合わせ熱を伝え合った。











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何処まで互いを煽れるか、どちらが先に痺れを切らすかの駆け引き。

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