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□04.
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■第4話■



「オキテクダサイ。オキテクダサイ。ゲンザイ、ゴゼン8ジ。オキテクダサイ」

「うーん…」

誰の声だろう、とリッドは思う。ぼやける視界には朝の光が差し込んでいて、その真中には黒い影が見える。
まだ寝たい。リッドはその声を無視して、それに背を向けるように寝返りをうつ。

「セイサイ。セイサイクワエマス。カウント、カイシ。5、4、3、2、1…」

そして変な声が、ゼロ、と言った瞬間、リッドの頭に衝撃が走る。

「痛って!」
「メガサメタ!」

声のする方向を見ると、そこには人並みの大きさのロボットがガシャガシャと動いていた。

「ゼンイン、キショウ」

バンザイ、バンザイ、と言うと、ロボットはリビングの方へ向かう。
リッドもハッキリしない頭を掻きながら、ロボットの後をついて行く。

「あ、リッド。おはよう」
「おはようございます」

既にテーブルについて、朝ご飯を食べているミヅホとフレデリクを見て、リッドはやっとリマの家に泊まっていたことを思い出す。

「痛たた…あのロボット、何なんですか?」
「あぁ、あれはリマの試作品さ。ここにはあぁいうのがたくさんあるからね。…それにしても、あんたが最後だよ?全く遅いったら」

レイはそう言ってフライパンの上のたまご焼きをひっくり返す。リッドは、すみません、と苦笑いしてテーブルにつく。

「はい、朝ご飯。いつもねぼすけのリマでさえ、今日は早く起きてたよ」

レイは笑いながらそう言うと、朝ご飯の皿をリッドに渡す。

「あはは、すみません…」

リッドは皿を貰って、ありがとうございます、と言うと、たまご焼きをフォークで千切って口に入れる。出された皿にはたまご焼きが1枚、ベーコンのような肉が2枚乗っていた。
リッドがあたりをキョロキョロ見回しても、リマの姿が無い。

「あれ、リマは?」
「墓参りさ」

レイがフライパンを洗いながら言う。

「すぐ出発だろう?だから、ヴィエッタに挨拶にね」
「そうなんですか…」

リッドはそう言うと、残りの肉も平らげる。
玄関の扉がバタンと閉じる音とリマが、ただいま、と言う声が聞こえる。

「リッド!まだパジャマなの!?遅いヨ!寝ぼすけさんだネ!」

そう言って、リマはケタケタ笑った。
リッドも、あはは、と笑うと、皿を片付けて急いで寝室に戻って着替える。
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