小噺

□人気者は辛いよ
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まぁ、つまり何が言いたいかっていいますと。






 ―人気者は辛いよ―







どうも皆さん今晩は。十番隊第三席、珠洲島です。

いつも来客(多分、殆どが隊長狙いなのでしょう)が多く、賑やかで楽しい十番隊ですが、今朝は一段と騒がしかったです。そんな今日の十番隊の様子を皆様にお届けしたいと思います。



ことの発端は朝一番に届けられた瀞霊廷通信でした。


「届きましたよー!今月号!!」

「本当?!早く見せて!!」

「私にも!」

「俺にも見せてくれ!!」


届いた瞬間に人だかり。恐らくその場に居た全員が群がっていたでしょう。
そして恐らく全員がすぐさま同じ頁を開いたと思います。何故そう思うかって?だってその後すぐに全員の叫びにも似た歓声が上がったから。


「キャーッ!!!!」

「やっぱり!絶対にうちの隊長が一番だと思った!!」

「ダントツじゃない!」

「予想通りだな!」


全員が同時に開いた頁・・・それは今月の特集、先々月に行われた“護廷隊人気投票”の結果の頁でした。

この人気投票が行われてから、私たちはずっとこの発表を待ち望んでいました。そして結果は予想していた通り、見事我々の隊長が一位だったのです。
しかも、二位に倍近い差をつけて!これが叫ばずにいられますかっ?!

・・・・コホン。少し取り乱しました。兎にも角にも、結果は我々の想像以上に素晴らしいもので、すごく嬉しいものだったのです。

・・・でも、これがまさかこんな大騒ぎの原因になるだなんて思ってもみませんでした。

その騒ぎを引き連れてきたのは定例集会を終えて戻ってきた松本副隊長でした。


「・・・だ〜か〜らっ!交代なんて絶対しないって言ってるでしょ?!」

「でも総隊長の命令ですし」

「そうそう!」

「命令って、“ただ言ってみた”ってだけでしょうがっ!」


その声は副隊長が我々の居る執務室に入ってこられる前からはっきりと聴こえる大きな声で。最早言い合いに近いものでした。

定例集会で何かあったのかな、と思っていた私は物凄い勢いで執務室に入ってこられた副隊長を見て驚きました。
・・・・副隊長の後ろには阿散井副隊長、檜佐木副隊長、吉良副隊長、綾瀬川五席と何ともうるさ・・・じゃない、豪華なメンバーが付いて来ていたのです。

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