小噺

キミの笑顔が好きだから
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(・・・・ボクは死んでしもたんやろか・・・?致命傷を負ったはずやのに、痛みもなんも感じへんもんなぁ・・・)

死ぬってこういう感じなんやったっけ?などと随分と緩いことを考えていると、急に頭に激痛が走った。


「った?!」


痛みも感じないと思っていた矢先の激痛。驚いてガバッと起き上がった。


『お、やっぱ気が付いてたか』

「え・・・日番谷・・・はん?」

『ん?』


一瞬、夢かと思った。目の前に居るのは幻かと、そう思い、恐る恐るもう一度呼びかけてみる。


「・・・日番谷はん・・・」

『あんだよ?』


不機嫌そうな、いつもと変わらないその返しに、あぁ、夢じゃない、幻なんかじゃないと確信する。


「・・・ちゅーか、あれ?ボクは何で殴られたん?」

『ああ、霊圧が戻ってんのに目ぇ開けねぇから、狸寝入りでもしてんのかと思ってな』

「・・・だからって殴ることないやん・・・・」


仮にも怪我人やのに・・・と小さく文句を言ってみる。するとそれまで椅子に座っていた日番谷が、身を乗り出して市丸の顔を覗いてくる。


「えっ、な、何・・・・?」

『お前、怪我は?痛むか?』

「え?ああ・・・そう言えばちっとも痛ないわ」

『そうか』


ほっとしたように顔を緩める日番谷に、市丸も柔らかい笑みを返した・・・その時。

――ゴンッ

鈍い音と共に頭に奔る先程感じたものよりも重い痛みに市丸は思わずベッドの上で蹲ってしまった。


「な、何するん?!」

『殴ったんだよ』

「せやから何で?!さっきも言うたけど、ボク怪我人やで?!」

『・・・うるせぇな。そんだけ騒げりゃ大丈夫だろ』


そういう問題ちゃうやろ、と突っ込もうとした市丸だったが、その言葉は日番谷の哀しみと怒りが絶妙にブレンドされた表情によって、呑み込まざるを得なかった。


「え・・・なんか怒ってはるん・・・?」

『別に』

「嘘やん。顔が怖いもん」

『・・・・・』


今度は下を向き押し黙ってしまう日番谷に、市丸は何か悪いことをしてしまったのかと考えてみるが、答えは見つからない。


「どないしたん・・・・?」

『・・・・』

(なんで黙っとるん?!ボク何かした?してへんよね?!ああ、沈黙が怖い〜!!)


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