小噺

居酒屋相談所〜黒崎一護は敵ですか?編〜
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「え・・・・」

『やっぱり此処に居やがった』


その声に、それまで生気の欠片も無かった浮竹も飛び跳ねるように起き上がった。


「と、冬獅郎?!どうして此処に・・・」

『お前、さっき様子が変だったからな。どうせまた飲みに来てんだろうと思ってよ』

「そ、そうじゃなくて!・・・一護くんは・・・?」

『松本が来てな、それから阿散井も。三人で飯食ってる』

「日番谷くんは?抜けて来たの?」

『ああ』


きっぱりと言う日番谷に、驚きのあまり言葉を失ってしまっている浮竹。その代わりに京楽が声を出した。


「浮竹、日番谷くんを飲みに誘いたかったんだって」

「ちょ、京楽・・・・」

『ああ、そんなことだろうと思ったよ』

「え・・・気付いてたのかい?」

『まぁ、なんとなくな』


ふぅ、と溜息を吐きながら、日番谷は浮竹の隣に腰掛ける。そして少し呆れたように溜息を吐いた。


『飲みに来たいなら、はっきり誘えよな』

「で、でも・・・一護くんと先に約束したんだろう?だったら・・・」

『お前が先約だろ?』

「え・・・?」


どういう事だというように首を傾げる浮竹に、日番谷はふっと軽く笑って答えた。


『この前約束したもんな。“次は付き合う”って』

「と、冬獅郎・・・」


感激のあまりに目を潤ませる浮竹に、日番谷は無意識に追い討ちをかけるように、浮竹の前髪を指で梳き、軽く額を突いた。

そして日番谷としては人の悪い、だが見る方からは非常に可愛らしい笑顔を浮かべた。


『・・・お前の奢りな?』


その仕草が、軽く首を傾げた状態での微笑みが、少し小さめの声での台詞が、どうしようもなく可愛らしくて。

浮竹は言うまでも無く、邪魔しないように席を立とうとした京楽までもが眩暈を覚え、脱力したように机に倒れこんでしまった。

そしてそんな二人の様子を不思議そうに覗き込む計算してるのではと思う程の可愛さに、二人とも日番谷冬獅郎には一生敵わないと感じたのだった。






Fine.
おまけ有り→


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