□豆シュレ。
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2月某日────…


フット団アジトの廊下にカライと数名のフットソルジャーが身を潜めていた。


「ターゲットはもうすぐここを通ると思われる。いいか、私が指示を出すまで動くんじゃないぞ。」

《はっ!!》


ちなみに彼女らが隠れている場所は廊下の曲がり角。通路からは死角となっていて彼女らの姿は見えない。



『ふんふんふふひをふふんはひ〜ん♪』

「!!」

すると、通路の向こう側から何者かが歩いてきた。

「ターゲット確認…!お前ら、迎撃準備をしておけ。」

《はっ!》


フットソルジャーが迎撃準備を整えてる間にもターゲットは一歩、また一歩と近づいてくる。


『ふふんふん♪私は歩く身の代金〜♪』

潜む影に気付くことなくターゲットはのんきに鼻歌を歌っている。

「まだだぞ…あと4メートル、…3……2……、



よし、行けぇええっ!!!!」



カライのGOサインでフットソルジャー達は一斉にターゲットの前に躍り出た。


『なっ、なんだ!!?』


「シュレッダー様覚悟!!」

『む、謀反か!?』


そう、ターゲットとはシュレッダーの事だった。
だが彼の困惑などお構いなしにフットソルジャーは腰にあるものを手に取り、投げた。



《鬼はー外!》《鬼はー外!》《鬼はー外!》《鬼はー外!》


バシバシバシィッ!!!!


『ぎえあぁああぁあああっ!!!!!!』


シュレッダーに向かって投げ付けられた何かはまるでマシンガンの様に彼の体を痛め付ける。


「よし!退け!退けー!!」


その言葉にフットソルジャー達は次々と退散していった。


『はぁはぁ、痛っ…なんだこれは…?ま、豆……?』

シュレッダーが自分にぶつけられた物体を見てみると、足元には大量の豆。

『何なんだ…?』


「シュレッダー様。」

『はっ!カライ!!これは一体どういうことだ!!?』


ようやく我に返ったシュレッダーはカライへと詰め寄る。
驚愕が怒りへと変わったようだ。


だがカライは動じる事もなく、シュレッダーの手に巻き物のようなものを渡した。

『……?これはどういう「シュレッダー様」………?』





「今年は……東北東ですから。」

『……………。』

その一言を残してカライも曲がり角へと消えていった。


『一体、何だったんだ……。』

そしてふと、カライから渡された物を見てみたら、

『……太巻…き…。』


太巻きだった。

『そうか、今日は────…』


彼女らの奇行の意味が分かったシュレッダーは、太巻きを丸かぶりした。


『今年も一年健康でいられますように────。

…ってなるわけないだろがっ!!!!待てお前らぁあ!!』



end.





††††††
ただシュレッダー様に豆をぶつけたかっただけの話です。とっくに節分すぎてるのに…
結局誰も捕まえられずにハンに八つ当りにしに行ってほしいな。(笑)
 

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