NOVEL

□sweet birthday
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「これ、やるよ」
図書館の帰り道。
3月とはいってもまだ寒い。特に今日は冷たい雨が降っていて、寒がりの俺はちょっと震えながら歩いていた。

ホントに突然。

今まで横で他愛のない話をしていた桑原くんが、俺の目の前に可愛くラッピングしてある箱を差し出してきた。
ちょっと驚いて桑原くんの顔を見上げたら、気恥ずかしそうに前を向いたままだった。
そのせいで、差し出された包みは蔵馬の傘には入っておらず冷たい雨を受けている。

あの〜中身濡れちゃうんですけど…
思ったけれど口にはしなかった。何も言えずに受け取る事もしないでいると、
「お前が今日誕生日だって聞いたから」

それは知っていたけれど…
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