NOVEL

□green tea
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夕飯のあと、俺の為にお茶を淹れている蔵馬の細い体を眺めながら。
ふと思い出した。
「そういえばお前、この間筋トレしてたが最近見ないな」
「あぁ。あれ?もうやめちゃいました」
「どうしてだ?」
小さめの盆に渋めの湯呑みに入った緑茶がふたつ運ばれてきた。
前に蔵馬がどこかの有名な釜で焼かれた物だと言っていた。

「急にどうしたんですか?そんなこと聞くなんて」
俺の隣に腰掛け、熱い茶をすする。こうしてるとまるで長年連れ添った夫婦のようだ。
聞いてみたのは、ふと思い出したからであって、大して答えも必要としなかったから、別になんでもないと返すと、肩にことりと重みが落ちてきた。
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