NOVEL

□ひだまり
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蔵馬の好きなブルーベリーティーに、今俺のお気に入りの揚げせんをお盆にのせる。
危なっかしい手つきで部屋に戻ると、珍しいもんが見れた。
永吉が正座した蔵馬の膝の上に丸くなって座っていたのだ。
「めっずらし〜!」
「何?」
「や、永吉。コイツ抱っこされるのとか嫌いでさぁ。家のモンでも触られるの嫌がるし」
ほんとびっくりした。蔵馬の膝の上に陣取った永吉は気持ち良さそうにゴロゴロと喉を鳴らしている。
「ほんと?永吉自分から乗ってきたよ」
蔵馬の白く綺麗な手が、永吉のグレーの毛並みをゆっくり撫でる。
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