NOVEL

□green tea
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「自分で聞いといて、ちゃんと聞いて下さいよ」
肩にかかった重みが小刻みに揺れる。微かに笑っているのがわかったが、俺の頬に当たっている蔵馬の柔らかい髪の毛がかゆい。

「確かに、女に見られるのは嫌ですけど…」
肩に頭を乗せたまま上目使いでチラリと見上げる。
続きを話せと言葉の代わりに額に唇を寄せる。

「貴方に嫌われたくないから」
「…どういう意味だ?」
意味がわからずに眉間にシワを寄せる。

言いにくそうに綺麗な翡翠の目を逸らす。
「…だって俺、ムキムキになっちゃったら嫌でしょう」
「なんだそんなことか」
「なんだはないでしょ、なんだは!」
むぅっと膨らんだ頬をぷにぷにと摘む。
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