GIFT

□Alone summer festivals
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* * *


 太陽も殆ど西に傾いてきて、そろそろ夕暮れ時。

 もう一度誘ってみようかな、と、今までずっと居たリビングから、自室に続く階段へと足を向けた。




「―…飛影……?」


 けれど、部屋には飛影の姿はなかった。


 つけっぱなしのクーラーと、開けっ放しの窓が、俺を余計に虚しくさせる。


 脱力感に溢れ、ゴロンと、ベッドに転がり込んだ。

 魔界に帰ってしまったのだろうか。
 そういえば、最近、仕事の量を増やされた、と苦虫を潰したような顔で言っていたっけ。



 天井に向かって深呼吸をひとつついた後、上半身だけを起こした。


「飛影なんてもう知らない。一人で行っちゃうもんね…。」


 暫くぼーっとした後、ベッドから滑り落ちるように降りた。

 机に置いておいた甚平を掴み、素早く着替え、ついでに髪も高めの位置で縛ってから、勢いよく扉の向こうへと飛び出した。
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