GIFT
□Alone summer festivals
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太陽も殆ど西に傾いてきて、そろそろ夕暮れ時。
もう一度誘ってみようかな、と、今までずっと居たリビングから、自室に続く階段へと足を向けた。
「―…飛影……?」
けれど、部屋には飛影の姿はなかった。
つけっぱなしのクーラーと、開けっ放しの窓が、俺を余計に虚しくさせる。
脱力感に溢れ、ゴロンと、ベッドに転がり込んだ。
魔界に帰ってしまったのだろうか。
そういえば、最近、仕事の量を増やされた、と苦虫を潰したような顔で言っていたっけ。
天井に向かって深呼吸をひとつついた後、上半身だけを起こした。
「飛影なんてもう知らない。一人で行っちゃうもんね…。」
暫くぼーっとした後、ベッドから滑り落ちるように降りた。
机に置いておいた甚平を掴み、素早く着替え、ついでに髪も高めの位置で縛ってから、勢いよく扉の向こうへと飛び出した。