REBORN novel
□想い出のプレゼント
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誰しも子供の頃は喜んだだろう。
サンタクロースからのクリスマスプレゼント。
子供が寝静まった夜にこっそりプレゼントを置いていく。
赤い服のおじいさんからのプレゼント。
俺は早々にそれを崩されていた。
「うるさくて目が覚めたらさ、枕元に酒の匂いぷんぷんさせながら父さんがいてさ。顔だけ真っ赤の親父がいてびっくりしたよ。」
サンタクロースの正体は父さんだと知って泣いてしまったものだ。
みんなそんな現実を知ってしまう経験があったはずだ。
そうリボーンに言うと、返ってきた返事はなんの脈絡もないものだった。
「じゃあお前がサンタになってこい。」
「はぁ?」
なにいってるんだリボーンは。
とつべこべ言う前に死ぬ気弾を撃たれた俺はサンタの服を着て獄寺くんや山本の前にいた。
死ぬ気状態でパンツ一枚にならずに走ったのは初めてだ。
「サンタになれってどういうことだろね……」
「さぁ」
サンタ服を着てはいても、全力疾走して汗をかき寒さで震えている俺に暖かい缶ココアを買ってくれた獄寺くんに礼を言ってから俺は尋ねた。
「獄寺くんはサンタクロースにどんなプレゼントが欲しい?」
「え!!」
「サンタがいたらの話だよ。どんなプレゼントが欲しい?」
獄寺くんは少し考えてから呟くように独り言を並べた。
「新しい爆弾…火薬……いや最新の爆弾の製作手順…数学の」
「山本は何がいい?」
怖いことを言い出した彼から切り出すように山本に尋ねると考えていたのかすぐに答えてきた。
「ツナが欲しいな。」
「え?」
「ん、人は無しなのか?」
「いや、サンタさんに人を拐わせるのは…」
「あ、俺も十代目が…」
「こらこら、二人とも…」
目が怖く見えてきて急いで家に帰った。
あのまま入れば、俺の初めての聖なる夜を奪われてしまう。
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