REBORN novel
□ここにある未来に。
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笹川京子は、みんなに聞こえるように伝える。
「最近はツッ君、イタリアと日本を行ったり来たりしていて忙しいんだけど、今日のためにお休みとったんだって。」
「えー!一番の出世頭じゃん!」
ダメツナというあだ名のとおりのダメな男だったヤツが海外を飛び回る職業についているとは…思わぬ知らせにどよめきを生む。
だがしかし、さらに驚くべきところは笹川京子だ。
「え、京子ってダメツナと連絡取り合ってんの?」
「うん。」
それはただならぬ関係に発展しているのだろうか。
直接本人に聞かず、旧友たちは妄想に花を咲かしあう。
いささかその声は思い出話を語り合うより大きい。
ふと、その騒音を破るように京子の携帯のコール音が鳴った。
「あ、ツッ君だ。もしもし?」
電話の相手はあのダメツナらしい。
「いまみんなで2年のときの教室にいるの、あ、おーい!」
京子は窓を開けて、いつの間にか校門にいる黒いスーツの集団に声をかけた。
その黒のスーツの中に一際目立つ白スーツを着た男がいた。