REBORN novel

□無理をしてでも逢いたい。
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一体どうやってるのか知らねぇが。




極秘の暗殺部隊ヴァリアー本部を探り当て、厚い警備を掻い潜りこの隊長の部屋にたどり着く強者がいる。
それが10年前にこの俺を倒した男だ。

「ちょーっとXANXASさん。ここの警備どうにかなりませんか?一応俺はボンゴレの頂点でヴァリアーを無くすこともできる最高権力」「帰れ」










この男は昔と大分変わった。
自分の意見を尊重するようになったし、それを押し通す強引さも身についた。

だがそんな奴の変わり様が通じないのは10年もの付き合いの奴等だ。
守護者共はずっと同じ調子で男と付き合うし、アルコバレーノは随分厳しく仕事を管理している。まだあいつは家庭教師といってこいつのそばにいるらしい。
確かにこいつはいまだイタリア語を上手く喋れないし、共通語である英語も無理だ。
そんなのでよくボスだと言えるものだ。


「XANXASー、いま持ってるのは缶コーヒーと缶おしるこなんだけどどっちが欲しい?」

缶コーヒーを無理矢理奪って蓋を開ける。

「…なんでそんなもの持ってる。」
「母さんが送ってくれたんだよ。手紙と一緒に。」

この男の母親はたった一人で日本に滞在中だ。
ことあるごとにこの男に手紙や日本の食材を送ってくるらしい。
どうにもこいつやこいつの父親はマフィアが仕事であることを母親に言っていない。
この事実は隠し続けられるものではない。
いつかは話さなければならない日がくるだろう。

それがいつまでも先伸ばしにしているだけだ。

「あぁ、ホッとする…」
「よくそんなもの飲めるな。」

少し離れた場所の会談用のソファーに奴は座り缶しるこを飲んでいる。
甘い甘い匂いが此方まで届いている。正直匂いで胸焼けしそうだ。


「お餅があれば最高だよ…あぁ米…味噌汁…米…」

要するに、だ。
こいつがイタリアに住むようになって大分経つが。

「24にもなってホームシックか。」
「24になってもなるよ、悪いかー!」

よっぽど重症なのか、誰も聞いちゃいねぇのにたまっているものを急に吐き出した。

「日本に帰りたいー、日本酒ー、いや味噌、納豆…大豆が食いたいー」
「じゃあ帰れよ」
「あ、愛しのXANXAS様に命からがら、無理して会いに来た俺に言うことそれ?」
「気持ち悪い。」

握っていた缶コーヒーを男に投げつけるが、中身を溢さないように男はキャッチして俺に手渡す。

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